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Class AA平衡アンプだとどうなる? [Class AA ヘッドホンアンプ]

class aa bar sch.PNG

前回の記事でClass AA+ダイヤモンドバッファの回路が動くことが確認できた。
現在メインで使っている自作ヘッドホンアンプがバランスアンプなので、次にバランス型のClass AAヘッドホン
アンプの回路図を少し考えてみた。


冒頭にも貼っているがまずは回路図。

class aa bar sch.PNG

ぱっと見だとごちゃごちゃで自分でもわかりにくい。

前回の記事でシミュレーションしてみた回路図との大きな変更点は

①平衡出力させたいので差動入力、差動出力となるように回路を2チャンネル分用意
②初段の電圧増幅部のオペアンプ(回路図でいうとU1,U4)を非反転増幅ではなく反転増幅に変更
③平衡出力でそもそもゲインが倍になるので片chあたりの仕上がり利得を1倍にする。(差動出力で2倍)
④ダイヤモンドバッファ回路を少しだけ変える
⑤zobelフィルタの削除


①に関しては多分オペアンプを使って差動出力を得るための回路としては一般的な回路のはず。
HOT、COLDそれぞれにオペアンプが必要になってしまって、ただでさえClass AAだと1chあたり
のオペアンプ個数が多くなってしまうのでコスパが悪そう。この回路だとオペアンプが8回路も必要
になってしまう。

②色んな方のアンプ作例を見ていると「非反転増幅は音が悪い」という言葉をよく目にする。自分は
非反転増幅と反転増幅の音の違いを確かめたことがないし理屈もよくわかっていないのもあるが、
シミュレーションしたりしていると反転増幅の方がなんとなく安定性がよさそう(安定性というより
周波数特性が素直だったので初段の
電圧増幅段は反転増幅に変更してみた。シングルエンドのアンプだと初段だけ反転増幅にすると
出力も位相が逆になってしまうけどバランスアンプなら反転増幅してても出力を逆に繋げばその
問題もない。

前回の記事のシングルエンドの回路をいじっている時に、初段反転なら電流増幅段も反転させれば
最終的に非反転になるんじゃね?と思ったりもしたけどうまく動かなかった。そもそも電流増幅段の
オペアンプは見かけ上ボルテージフォロアで動いているようだし、U1とU3の位相が逆になったら
ホイートストンブリッジの部分がきちんと動かない気がする。

③前回のバランスアンプもそんなに利得は上げていないが音量は十分とれているのでとりあえず
FB部分は47kと47kで1倍にしてみた。68k~80kあたりでもボリューム調整的にはあまり問題は
なさそう。
それよりも反転増幅なので入力インピーダンスをどの程度にするかをきちんと考えたい。
ここの抵抗をあまり大きくし過ぎるとノイズ面で不利だし小さすぎても困るし。ボリュームは
10kΩにして入力抵抗/FB抵抗を30k/47kあたりにしてみてもいいかもしれない。ヘッドホンアンプって
入力インピーダンスがどの程度ないといけないんだろう・・・

④ダイヤモンドバッファ回路でQ1~Q4の後段の負荷抵抗部分を定電流回路に変更してみた。
ここは通常よく見られる回路では抵抗負荷になっている。たかじんさんの解説ページを読むと
ダイヤモンドバッファの1段目にとっては抵抗値が大きいほうがよく、2段目にとって見れば小さい
方がいいということだった。

http://nw-electric.way-nifty.com/blog/D-buffer.html

そこで今回は抵抗の代わりに能動負荷である定電流回路を入れてみることにした。カレントミラー
回路だとミラーする前の電流が綺麗でないとあまり意味がなさそうだったのでNFB型と呼ばれる
回路を選択した。

600Ωのヘッドホンを駆動することを想定する場合はそこまで駆動力については考えなくていいとは
思うし定電流回路を入れるとトランジスタの使用数が一気に増えてしまうのでかなり無駄のような気も
するけど、そこは自作の自己満だし、ポータブルじゃないし電源電圧は±15Vと高いからいいかなと判断した。

⑤色々シミュレーションしたり回路を弄ったりしていて定かではないが④の構成に変えてからは
回路全体の安定性もやや上がり(気のせいかも…)zobelフィルタを付けなくても今のオペアンプの
構成だと1nF+600Ωでも発振しなかったので削除した。パターンは作っておいてオペアンプ次第で
フィルタを追加しようと思う。今のところ初段電圧増幅LME49990,後段電流増幅LME49710では
問題なく動いている。

色々とオペアンプを交換してみてわかったのは初段の電圧増幅段は歪率の依存性が高いこと、
後段電流増幅段は見かけ上ボルテージフォロアで動いているっぽいのでユニティゲインで安定
するような安定性のあるアンプを選択するのが良いような感じ。そういう意味では初段と後段の
オペアンプは違うものを載せ替えるようにした方がよさそう。



次に周波数特性。

class aa bar ac 0p.PNG
<負荷600Ω>

素直な特性。カットオフは700kHzほど。位相補償の容量が4.7pFの場合。
ゲイン余裕、位相余裕ともにかなり余裕がある。


class aa bar ac 500p.PNG
<負荷600Ω+500pF>

30MHz付近でピークが出ているがまだどうにか安定。


class aa bar ac 1n.PNG
<負荷600Ω+1nF>

位相余裕はあるもののゲイン余裕がない。10kHzの矩形波入力でギリ発振してないように見える。1.2nF
ぐらいで発振している模様。さすがにヘッドホンの寄生容量は1nFもないとは思うのでこれでよしとする。



class aa tran 500p.PNG

class aa tran 500p 2.PNG

次に立ち上がり立ち下がり1nの10kHz矩形波を入力した時の時間波形。負荷は600Ω+500pF
特にピークもなく素直な波形。


最後に出力のFFT

class aa bar fft 500p.PNG

差動で4Vppの時の1kHzのFFT
歪みが少ないことはわかるが3次高調波成分が逆に出ているのが謎。
逆に3次の歪みが低くなるのも音的によくなさそうな気がするけどどうなんだろう。
もしかしたらシミュレーションの設定が悪いのだろうか・・・

この時のTHDは下記の通りだった。

Harmonic Frequency Fourier Normalized Phase Normalized
Number [Hz] Component Component [degree] Phase [deg]
1 1.000e+03 2.000e+00 1.000e+00 -0.08° 0.00°
2 2.000e+03 6.911e-09 3.456e-09 -16.15° -16.07°
3 3.000e+03 9.778e-08 4.889e-08 -90.34° -90.26°
4 4.000e+03 6.663e-09 3.332e-09 27.26° 27.34°
5 5.000e+03 5.061e-09 2.531e-09 53.35° 53.43°
6 6.000e+03 2.497e-09 1.248e-09 90.23° 90.31°
7 7.000e+03 2.124e-09 1.062e-09 -34.46° -34.38°
8 8.000e+03 6.674e-09 3.337e-09 -49.45° -49.36°
9 9.000e+03 4.848e-09 2.424e-09 -27.03° -26.95°
Total Harmonic Distortion: 0.000005%(0.000000%)
(32Ω+500pFの負荷では0.00001%)

理想的なシミュレーションとはいえこんなに数字がいいのなら出てくる音もなんとなくよさそう
な気もする。実際にTHDが良いだけで音がいいなんてことはきっとないとは思うけども自作の
モチベーションとしては十分な値だと思う。


まだ、例えば発熱などについて考慮しておらず、最終段はC3421/A1358じゃ厳しい気がしたり
ダイヤモンドバッファの熱結合も考えないといけなかったりと検討すべき事項は結構残っている
気がする。後は定電流を流している2SK30Aも別に抵抗でもいいんじゃないかとか。

とはいえ回路定数としては色々と検討する必要があるとは思うけどとりあえず大まかな回路構成は
これであらかた決まったと思う。色々と定数をいじりつつ、次は電源回路について考えていきたい。
音がいい電源回路の条件ってなんだろう・・・

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